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杖道とは

 杖道とは、杖と太刀(木刀)を使って行う形武道(かたぶどう)です。形武道とは、杖と太刀の動く順序が決められており、「太刀がこのように切ってきたら、杖がこのように受けて、返して打つ」という先人が実戦で培った形をいくつかの本数にまとめたものをいいます。

 長さ四尺二寸一分(約128cm)、直径八分(約2.4cm)の杖を用い、攻撃よりも変化に応じて相手を制圧する事が本旨です。17世紀初頭に夢想権之助によって創始された神道夢想流杖術が起源となっています。 

 杖道は昭和31年に全日本剣道連盟に加入し、基本12本と、その応用技12本が制定され「全日本剣道連盟杖道」として発足、 その後、全日本杖道大会が開催されました。杖道の試合は2組の出場者が規定の術技を仕打交代して演武し、その「充実した気勢」、「正しい姿勢」、「正確な打突と打ち込みの強弱」、「間合いと間」、「礼法」などを審判員が判定して勝敗を決します。

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杖道と関わりがある武道家

・中山博道(剣道範士・居合道範士・杖道範士)

「私は青年時代に神道夢想流杖術の師範内田良五郎先生より杖術を教わって、初めて剣の裏が分かった。それに、杖独特の手の内、足捌き、体のこなし方等を憶え、剣道の稽古中にも杖の技を生かし、それがため私は大いに得るところがあった。」「全国にそれぞれ武術諸流の形があるが、神道夢想流杖術のごとく洗練された良い形はない。武術の中でも国宝的なものだ。」

・嘉納治五郎(講道館柔道創始者)

講道館柔道の創始者嘉納治五郎は、神道夢想流杖術を高く評価し「間合いを学ぶには最良の武術」として推奨し、講道館の高段者に神道夢想流杖術を学ばせた。

技の特徴

 杖道の技法の特徴は「突かば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにも外れざりけり」と、千変万化の技を繰り出すことが特徴としてあげられます。また原点は、伝書にあるごとく「刀槍は、人を殺すものゆえ、望むに足らず。杖は人を殺さず、しかも自身の身をも全うする。」としているところです。従って、その術技は棒(杖)という武器の特性を発揮するべく、剣の技を熟知した上で剣とは全く異質の発想で組み立てられており、その為、互いに剣を抜きあった場合、自分より強い相手に対しても、杖を持ったら相手を殺さずに勝つことができる術技が形成されており、創始した流祖夢想権之助がいかに心技共に高い境地に達して当流を創始したかを如実に示しています。

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